季節


4月生まれの私にとって、春は特別な季節だ。

すべての物事がスタートする新しい感覚。

別れがあって出会いのある季節。
ちょっぴり痛みを伴う別れもあるけど、新しい出会い、喜び。

新しい生活が始まる期待とドキドキ。

厳しい冬から脱皮して、日差しが高く明るくなると
「ああ、春だ」とウキウキする気分。


夏は子供時代、最も好きな季節であった。

長い夏休みがあったから。

夏のギラギラした太陽も、生命力の証であった。

セミが一斉に鳴きだすように、突然目の前にやってきて、突然去っていくような感覚が夏にはあった。


しかし、私も年を取った。

いつの頃からか、春は花粉症に苦しめられるようになった。

別れがあっても出会いは減っている。
この別れは、もう生涯会うことはないだろうと思いをはせることがある。

春はつらい季節になった。


夏の暑さも耐え難くなった。

私が子どもの頃は、子どもはみな、日焼けして真っ黒だった。
強い日差しとはお友だちだった。

しかし暑さに疲れやすくなり、外出を控えるようになった。

夏もつらい季節になった。

もちろん冬の寒さも耐え難い。

なにより、朝起きるのがつらい。

それに高齢者にとって、体を冷やすことは厳禁だ。


昔、秋は私にとって憂鬱な季節であった。

エネルギッシュな夏から沈静し、生命が力を失って枯れていく感覚があった。

冬支度のための暗いイメージ。

秋の虫の声にも、何とも言えない寂しさがあった。


しかし今や秋の深まりに、自分自身を取り戻していくような感覚がある。

食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋…。

秋の彩の美しさにも幸せを感じるようになった。

この年になって、秋の良さに気づき、満喫できるようになった。




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