おばちゃんバレエ45歳で始めたバレエを習い始めて15年近くになる。全くの初心者ではなく、子供の頃少しやっていたが、今ほど真剣ではなかった。 その当時もレッスンは真面目にやっていたが、半ば諦めていることが多かった。まず私はバレエ向きの体型ではなかった。何よりO 脚がひどく、関節も固く、ちょっと太り気味の体にコンプレックスを持っていた。 体も大きかった。女性にしては肩幅が広いので、正面から見ると非常にでかく見える。私は子供の頃にバレエを習うことで、初めて自分の体型にコンプレックスを持つことになったのである。 40代で再びバレエを始めるきっかけになったのは知り合いから誘われたからである。「教室でレッスンしているのはおばちゃんばっかりだし、何より先生がいい先生だから是非来て。」と言う言葉に後押しされた。 もともとダンスは大好きだし、ちょうど運動不足解消のために何かをしたいと思っていたところだったので、渡りに船と教室に通うことにした。 実際その時教わった先生が私にとってはとてもいい先生だった。何がいい先生だったかというと、先生自身が大人になってからバレエを始めて、とても苦労されたということだ。バレエは小さい子供の頃から始めなければならないというイメージがあるが、プロのバレリーナになるためにはもちろん、実際に上手に踊るためには体の柔らかい子どもの頃から何年もかけて体を作り技術を身につけていくて必要があるだろう。 なので、私ができなくて困っていることは先生自身も苦労して乗り越えてきたことであった。だからアドバイスはいつも論理的で具体的だったし、何より心強かったのは体型は必ず変わるといつも励ましてくれたことだった。先生自身が50代でも変わったからと言ってくれたのである。 その先生の指導の中で、今でも私が一番大切にしていることは、教室でレッスンをしている時だけでなく、普段から姿勢や歩き方にも気をつけるということである。その絶え間ない地道な努力のおかげで、私の体の筋肉のつき方も少しずつ変わり、見栄えも少しずつ良くなってきたと思う。 さて、その先生との出会いによって私はもっと美しく踊りたいと思うようになった。そしてその先生が教室をたたんでからは別の教室でレッスンを続けている。 それにしても最近は子供よりも、大人になってから、それもかなり年配になってから始める生徒さんが増えている。だからどのバレエ教室にも大人向けの初心者クラスがある。子供の時にやりたかったけれども習わせてもらえなかった、ずっとやってみたいと憧れていた、という生徒さんはかなり熱心だ。 逆に小さい頃から教室に通ってお稽古している生徒達は、上手になったなーと思って見ていても、中学生高校生になるとやれ受験や進学だと言ってやめていくケースが多い。 私から見るととても残念だが、あくまでバレエは習い事のひとつにすぎないようだ。 というわけで、バレエ教室は今や熱心なおばちゃん達に支えられているのである。 先生の優雅な動きに、いつか自分もあんなふうに踊れると夢見ながらみんな汗して稽古に励んでいる。 若い子ほど上達は早くない。その上、老化との戦いもある。 けれども受験や進学で辞めることはなく、後は自分がいつまで続けられるかという体力や健康だけの問題である。 私も娘の冷たい視線を浴びながら、額に汗してレッスンに励んでいる。 |